歩む会 妙見演習林便り

歩む会の活動を掲示します。

歩む会10月の行事 百舌鳥古墳群を訪ねて

R04.10.12 参加者4名

 猛暑も終わりを告げ、爽やかな季節が到来し、それではと野外の散策を計画した。

 百舌鳥古墳群を訪ね、古墳の解説看板を写真に収め、所定の場所で写真を提示すると、その古墳カードがもらえるという「MOZU-FURU CARD」という企画に便乗し、古墳カードを集めていくというハイキングでもある。本日は「サークル活動の様子紹介ということで、シニア自然大学校広報部の方も参加された。

 百舌鳥古墳群には現存する古墳が44基*あり、そのうち本日見学する仁徳天皇陵を始めとする23基が2019年7月、ユネスコ世界遺産に登録されている(古市古墳群26基と)。また、消滅したとされる古墳がそれぞれ56基以上・86基。本日は仁徳天皇陵周辺の12基を巡り解散。2人はさらに登録古墳以外も含む近傍の11基を巡った。

 JR阪和線三国ヶ丘駅に10時に集合し、散策を始める。三国ヶ丘駅の目の前は仁徳天皇陵があり、その周辺は、大小様々な古墳が点在している百舌鳥古墳群と呼ばれるエリアだ。まずは三国ヶ丘駅の屋上庭園「みくにん広場」に上り、多少高くなった目線から仁徳天皇陵が見えるものの、そう聞かなければ雑木林と見過ごすほどの鬱蒼とした森である。残念ながら教科書にも載っている前方後円墳のあの形を見たければ、300メートルほどの高さが必要ということだ。

 駅ビル1階に降り、南海高野線沿いに歩き、仁徳天皇陵の周辺には陪冢(バイチョウ)と呼ばれる小さな古墳がたくさんあり、その北端の永山古墳から巡回開始、続いて天皇陵を囲む外周濠堤上にある茶山古墳・大安寺山古墳、陵の東に位置する2つの古墳、引き返して丸保山、菰山古墳と回る。途中で百舌鳥・古市古墳群世界遺産登録推進本部会議発行の「百舌鳥・古市古墳群ウォーキング・マップを手にした熟年の夫婦と出会い、もず・ふるカードについて教えてあげた。推奨のAコースを回っているとのことだった。その後も平日にもかかわらす幾組みもの見学者に遭遇した。以前来たときは出会うことが無かったが。

 静かな古墳西側周遊道路を南下すると、仁徳天皇皇后の磐之媛の万葉歌碑がある。五基ある万葉歌碑の中央にある自然石の歌碑は犬養孝博士の揮毫よるもので平成7年に建立された。MMさんは学生時代から犬養先生の薫陶を受け全国の万葉歌碑巡りをされている。嘗て歩む会でも平成23年2月MMさんの案内で山辺の道の万葉歌碑を巡ったことがある。歌碑の前で磐之媛に纏わる古事記日本書紀の記事、性格・出所・エピソ-ドや万葉集1番の雄略天皇の歌や磐之媛の歌碑についての解説の後、中央の歌巻2-87「在管喪 君乎者将待 打靡 吾黒髪尓 霜乃置萬代日=ありつつも 君をば待たむ うち靡く 我が黒髪に 霜の置くまでに」を犬養節で朗詠される。

   銅亀山古墳、陵西南角の朝日寺、御陵道路を渡って堺市大仙公園内にある狐山、竜佐山、孫大夫山古墳を経て再び御陵道路を渡り仁徳天皇陵の拝所に。拝所前には堺市の観光ボランティアガイドが駐在し、説明中だった。大仙公園観光案内所のテラスで昼食。その後、案内所でデジカメで撮影した古墳の写真を提示し古墳カ-ドを貰う。ここで今回行事は終了し、以降自由行動。大仙公園には堺市立博物館もある。他日、残りの古墳をめぐってみたい。薄曇りの天気が幸いし、良いハイキング日和となった。 

*:百舌鳥古墳群 「世界遺産 百舌鳥・古市古墳群をあるく ビジュアルMAP全案内」、久世仁士著、創元社編集部編、創元社、2019 より

(TN 記)